宇宙叙事詩II

学生時代から、歩き瞑想をしていた。特に、夜に長く歩く。
ある時期には草木のさーっという音が聴こえてきたりもした。幻聴と言われればそれまでだが、携帯電話や車を使うようになってからその現象は止んだので、何かしらのリアリティが自分の中ではある。

夜には星が瞬いている。
自分は、瞑想と特に思っていたわけではないが、夜通し歩いていると瞑想的な状態になっていたのだろう。自然とDNAを辿る瞑想、と感じていた。星にアクセスし自分のDNAからの情報を得ているという感覚があるのだ。

18歳で美術大学に入学してからのスクラップブックには、ネイティブアメリカンの言葉やインド思想、チャクラや気のこと、ヨーロッパの神秘主義などの切り抜きが貼ってあった。美大で嶋本先生に会った。先生は「この出席簿がエリザベス女王のものと聞いたら、どう思うか?」と授業で一言。ほとんどの生徒たちは口をぽかんとするばかりだった。僕は、現代美術とはそういう事か、と感心した。

同時期、美術と宗教、哲学の関係性についても悩んでいた。だから歩きに歩いた。

鬼を掘り、日本人のルーツを突き詰めていくと、シュメールに行きついた。それでも僕は完全には腑に落ちず、腑に落ちるまで探求していった。

その過程で得た神秘体験をはじめ、伝えたいことを形にしたく、まずは楽曲を作った。中高で吹奏楽部の打楽器に打ち込み、大学在学中にはロックバンド、卒業後は和楽器バンドに所属し、またエコミュージックバンドを結成、作詞作曲ボーカルなどを行っていた。環境省他主催のイベントで受賞してからは京都の田舎で土に近い暮らしをしながら、探究を続けた。

先のシュメール文明では、角のたくさんある存在がレリーフなどで残っている。鬼のほかに、地球上の角に纏わる話を探って行った。

自分なりに完全に腑に落ちたのは、2019年の事。そこから日本語ではなく世界共通語となるような美術的造形、しかしながら日本のスピリチュアリティを込められるもの、という帰着点を探って行った。

結果、グラフィティーと墨絵が融合したような造形が自分の中でしっくり来た。
そこには幼少から馴染んだアニメや漫画の要素が横たわっている。

霊の構造を紐解いたゴースト・ストラクチャー(Ghost structure)の叙事詩。
それは神霊から宇宙霊へと繋がり、人間の創世記として自分の中にある。

これから、宇宙叙事詩として作品で残して行きたい。

筆録 Liz HAZE